不均質な自然と人の美術館

不均質な自然は、美しい。

通常、美術品は均質化され
同じ状態を保ち、
いつ観ても
同様の体験が得られるように
設計されていますが、
そもそも自然は
不均質なものであり、
そのときどきで変化していく
体験が感動を生み出します。

雨上がりに虹を見たり、
秋の美しい夕日を見たり、
刻一刻と形を変えていく雲の
模様を眺めるような体験は、
自然の不均質性がもたらす
美しさであり、
不均質であるがゆえに
私達の心を打ちます。

私達自身が
自然の一部である以上、
私達の日常にも様々な
不均質な体験が潜んでいて、
気づかないうちに
それを心地良く感じています。

柔らかい雨の音や秋の虫の音、
かすかに聞こえる生活音などが、
完全な静寂よりも私達の心を
落ち着かせてくれるのは
何故でしょう?
この美術館の不均質な体験が、
皆さまの日常への気づきの
一助となれば幸いです。

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